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Guest Blog vol.02|コントラバスのミニチュア 



Mr.成井の「粋な木遣い」

02チーク-コントラバス

コラム「粋な木遣い」、本当に長らくお待たせしました。
本当に長らく…、第2回が遅くなりすぎて、お恥ずかしい次第です。
さて、今回は、第1回のTEAK原木という大きな話から、手のひらに載るような小さな話でいきます。

木にたずさわっているといろんな表情をした木に出くわしますが、昨年、出張先のタイ・バンコックで見つけた、全長20cm程度のコントラバスのミニチュア(写真左にあるのは押ピン)。もちろん、音は出ません。

そこの親父さん曰く、家業のペッパー屋を継いで独自に木製ペッパーミルを作り始めたら、木工にハマっていき、このようなミニチュアを作るようになったとの事、いやはや驚きました。というのも、使ってある木がとても硬く、ある意味で加工しにくい木なのです。

まず、胴の部分は花梨の瘤(こぶ:burl=装飾性の高い家具などに使います)を使っており、ネック・指板・エンドピン・テールピンなどは黒檀の中でも特に硬い通称“マグロ”を使っています。
そして、弓はローズウッドです。

特に花梨の瘤は木理が交錯していますので、カットや研磨を思ったとおりの線でこなすのは難しいのです。それをこの親父さんは、難無くこなしているばかりでなく、見事なセンスで形状を作り出しているのです。
まったく実用的ではないのですが、私としては、こういうものを作ろうと思った親父さんに脱帽です。何かに一心不乱に取り組む、木の美しさ以上にきれいなものなのかもしれません。
私も明日から何か作ろうかな…。(今日からでないところがみそです)


2007年2月記事より