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Guest Blog vol.03|木材の宝石TEAKの隠れた力



Mr.成井の「粋な木遣い」


私のコラムも3回目になりました。
前回は、ミニチュアのコンロラバス、とても小さなモノの話でした。
今回は、第1回目同様大きなモノの話でいきたいと思います。

第1回目のコラムで登場した客船Diamond Princessは、11万トン級の大きな客船です。2004年に長崎の三菱重工業で建造された客船ですが、実はこの時、他にもう1隻、同型のSapphire Princessという船も同時に建造されました。
そして、この2隻の船にはこれまた第1回目に登場した木材、TEAK(チーク)がふんだんに使われています。

造船の歴史の中で、TEAKと船は切っても切れない縁があります。
15世紀中頃から17世紀中頃までの大航海時代にヨーロッパ諸国は南アフリカのケープタウン沖をまわり、こぞってアジアを目指しました。
その頃は、船体全部が木造の船です。
荒れ狂うことで名高いケープタウン沖では遭難が相次ぎました。
そしてその遭難の確率を格段に減らしたのが、インド東部からインドシナ半島にかけて自生するTEAKの発見だったといわれています。

OIL成分が豊富に含まれているTEAKは、耐水性に優れ、接合に使う金具を保護し、その狂いにくい性質から海水の浸入を防いでくれたのでしょう。
現在は、造船技術が格段に上がりTEAKに頼る事は少なくなりました。
それにしても外部(床・手摺)には大航海時代のなごりで客船や帆船にはTEAKがふんだんに使われます。

帆船といえば古い伝統的なものを想像しますが、この帆船は、トルコで最近建造された船で、最新技術を投入された帆船です。
高性能GPSは勿論のこと、大変な作業が必要な帆張りもスイッチ一つです。

↑豪華帆船に使われる高級チークのデッキ材



でも、やっぱりDECK(甲板)はTEAKです。
私もいつかは…、と思っても難しいでしょうけど、海にはロマンを感じられずにはいられません。


2008年1月記事より